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第5回:就職に迷ったら私に聞け!格闘家のための質問箱A

<今月の相談>
格闘技経験を生かせる仕事を見つけたい
(東京都 S・Tさん 35歳)

Q・私は10年間格闘技を学び、試合では成績を残せなかったものの、自分では納得の行く格闘技生活を送りました。そしてやはり社会の中で自分の経験を生かしたいと思い、そのような仕事を探しています。警備業、SP関係の仕事、またはスポーツトレーナーなどを考えているのですが、給料面などでいまひとつのものが多く、悩んでいます。よいアドバイスをお願いします。

<今月の答え>
自分の足元を見つめ直すことから始めましょう

A・S・Tさんは今35歳ですよね。当然結婚しているでしょうから、給料面での心配もあると思います。しかし、警備業やSP関係などの業種は一般的に「ワーカー」と呼ばれ、その仕事を年齢をとっても続けなければなりません。STさんが仮にその仕事をこれから先続けたとしても、そのうち、有能で技術を持った若者が、あなたよりも安い給料で雇用されるのです。当然、会社としてはあなたの存在が必要でなくなりますよね。これがいわゆる中間管理職のリストラ現象です。

 誰しも、自分の趣味を仕事にしたいと思うものです。しかしながら、やりたいことをやるだけでは報酬につながらないことは格闘技生活で学んだと思います。奥さんを貰い、子供を授かった以上、自分のやりたいことをやる、と我を通すことは出来ないのではないでしょうか。。格闘技というものは相手を倒す技術だけじゃなく、心も同時に鍛えるものではないでしょうか。

 私も空手の生活を引退してからというもの、何をしていいのか分からず、毎日、求人誌を見ていました。しかし、自分の条件を満たす求人は何一つなく、自暴自棄になっていました。ちょうどその時、空手の先輩から「自分でやればいいじゃないか。自力本願で他人から職をもらおうとするから、悩むのであって、本来格闘技や武道には自力本願の教えがあるじゃないか」ということを言われました。

 私はその先輩から事務所を間借りさせていただいて、今の人材派遣会社を始めました。そして空手で出会った多くの方々から仕事を頂き、今では自分の道場を出せるようになりました。もし私が引退した後も「ワーカー」クラスの仕事を続けていたなら、今でも現場工事をやっているかもしれません。

 冷静になって考えてみると、当時、その空手の道場には13人もの社長さんが道場の練習生として汗を流していました。私がその中の1人の社長さんと縁があって、独立開業できたように、STさんの格闘技道場にもよい信頼関係を築いた先輩や同輩、後輩、S・Tさんを信用してくれている社長さんやスポンサーの方がいるのではないでしょうか。そしてそのような関係を本来「社会」と呼ぶのではないでしょうか。
 
 S・Tさんも足元をもう一度見直して将来を考えて、「ワーカー」で終わることなく、人生のチャンピオンになってみてはどうでしょうか。

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